もし家族が危篤状態になってしまったら…突然家族が亡くなってしまったら…。気が動転してしまって「何をしていいかわからない」という状態になる方も多いでしょう。しかし、そのような場合でも、家族には対応しなければならないことは沢山あります。この記事では、もしもの時に慌てることがないよう、危篤になった場合に家族がすべきこと、心構え、注意すべきポイントなどをまとめてみました。
■危篤
「危篤」とは、容態が悪化し意識がなくなり、いつ息を引き取ってもおかしくない状態のことを指します。もちろん、意識を取り戻すケースもありますが、基本的には回復を期待できない状態といえます。医師から「危篤です」と告げられると、誰もが「亡くなるまで、あとどれくらいの時間があるのだろう」と考えてしまうでしょう。しかし、危篤の状態が続く時間には個人差があり、必ずしも亡くなるというわけでもありません。本人の生命力もあるので、医師でもはっきりとはわからない、が正しいでしょう。
危篤の知らせを伝えるべき相手は?
病院などから危篤の知らせを受けたら、自身が病院などへ急ぐとともに、他の人にも危篤であることを伝えなければなりません。一般的には ①同居の家族 ②三親等以内の親族 ③危篤者と親しい友人、知人 へ連絡をします。また、危篤の対象者が現職などで、必要と判断した場合には勤務先への連絡も必要です。ポイントは「危篤者が最期に会いたいと思う人、看取りに立ち会ってもらいたい人」です。もしもの時に慌てないためにも、事前に連絡者のリストの準備をしたり、本人の意思を確認しておくと良いでしょう。
危篤を伝える方法は?
危篤の連絡は急を要することなので、確実に伝えるためにも電話を利用するのが良いでしょう。一刻を争うことですから、夜中や早朝であっても、電話をかけても失礼にはあたりません。もし電話で連絡が取れない時などは、必要に応じてメールやSNSなどを利用して連絡をします。
電話で伝えるべき内容は、下記になります。
- ■急な電話のお詫び 早朝、深夜の連絡の場合には、「朝早くすみません」「夜分におそれいります」といった一言を添えてください。
- ■危篤者の名前 ・危篤者と連絡している人との関係
- ■危篤者の状態、症状 ・息のあるうちに会ってほしいとのお願い
(または、まずは連絡のみを差し上げたという主旨の言葉) - ■危篤者の病院名、住所、病室、連絡先、交通機関、面会可能時間など
- ■連絡している人の電話番号(携帯電話など)
〇身内が危篤時にLINEなどのSNSで伝える場合の注意点〇
危篤の連絡で大切なポイントは、迅速、かつ正確に相手の方に危篤の状況について伝えることです。しかし、9割以上の人が携帯電話を持つ現在では、固定電話では連絡がつきにくいでしょう。以前は電報なども手段とされていましたが、現代では現実的ではありません。実際には、メールでの連絡に加えて、最近ではLINEなどのSNSで危篤の連絡をすることが増えています。日頃からLINEなどのSNSを使って連絡をしている相手ならば、SNSで危篤連絡をしてもマナー違反には当たらないでしょう。ただし、電話やメールでの連絡と比べて、くだけた印象を与えてしまうこともあるので、SNSを利用する際は次の点に気をつけてください。
簡潔に伝えましょう
電話で連絡すると、相手の方は病院名などメモを取りながら聞くことになります。しかし、SNSなら後で確認することができるので、できるだけ簡潔に伝えましょう。伝える内容は、電話やメールでの連絡と同様、危篤者の氏名、危篤者の容体、立会い希望の有無、病院名、連絡先などです。
フルネームを伝えましょう
SNSであっても、必ず危篤の連絡の際には、危篤者と連絡者のフルネームを伝えましょう。
情報の拡散について・範囲をきちんと伝えましょう
SNSの特徴は容易に情報を拡散できることです。情報を拡散しても可能か、また、拡散する場合はどの範囲までなら拡散をして良いのか、しっかりと伝えておかないと不本意に拡散されてしまう恐れがあります。
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◆臨終
「臨終」とは、人が亡くなる間際のことを指します。本来は死に臨むことを表す言葉ですが、医療の現場において、一般的に息を引き取る時にも使われる言葉です。
1)医師から死亡診断書(死亡検案書)が発行されます
病院で臨終を迎えたら医師による「死亡診断書」が発行されます。自宅など医療機関以外で亡くなり、かかりつけの医師がいない場合や、救急車の到着前に臨終を迎えた場合は検死が必要になるため、警察に連絡します。検死が終わると監察医より「死体検案書」が発行されます。
2)エンゼルケア(死後処置)
病院で亡くなった場合、死亡診断後に看護師が「清拭」を行い故人の体を拭き清め、鼻や口などに脱脂綿を詰めてご遺体の処置を行います。この死後処理のことを「エンゼルケア」と呼び、基本的には医療費以外の自費負担となります。
3)末期の水
臨終を告げられると、近親者が「末期の水」をとります。一般的に「死に水をとる」とも言われています。割り箸などに脱脂綿をつけた物や、最近は綿棒を大きくした専用の物を水で濡らし、故人の口元を湿らせます。本来は、亡くなった者の命が蘇ることを願って行っていたもので、息を引き取る直前に行っていました。現在は安置場所に移動した後や、納棺時に行います。
4)臨終後の連絡
先ずは、臨終に立ち会うことが出来なかった家族や親族に連絡します。故人の友人・知人、勤務先や学校などの関係団体には葬儀の段取りが決まってからのお知らせでも良いでしょう。また、菩提寺がある場合は日程などを決める前に連絡をしておきましょう。その際には、通夜・葬儀の日程も菩提寺と相談しておくと良いでしょう。訃報を家族だけで、親族・友人など全員に知らせるのは大変なので、分担をして連絡をしてもらえるよう協力してもらいましょう。
葬儀社・専門業者に遺体の搬送を依頼の連絡
病院で亡くなった場合は、病院の霊安室や病室で遺体を預かってもらえるのは長くても半日程度です。病院によっては早急に搬送を指示され、提携先の葬儀社を勧められます。まずは葬儀社に連絡をし、ご自宅や安置施設に搬送をしてもらうように依頼します。自家用車での搬送は法律上では問題ありませんが、遺体の状態や必要な処置などがあるので、専門の業者に依頼することをおすすめします。
◆遺体の安置
1)北枕で安置をします
仏式の場合、故人様の頭を北の方角へ向ける「北枕」で寝かせます。間取りの問題で北枕が難しい場合は、西向きに安置でも構いません。仏式においては「頭北面西」という言葉があり、お釈迦様が入滅した際、頭を北に向け顔を西に向けた姿勢が由来です。他にも、「死」が非日常であることを表す風習として、布団を上下逆さまに掛ける「逆さ布団」や枕元に屏風を逆さにたてる「逆さ屏風」などがあります。また「守り刀」を葬儀社から借りて掛け布団の上に置きますが、その際刃先を故人の顔に向けないように気を付けましょう。(但し、浄土真宗では守り刀は用いません)
2)メイク・湯灌とエンバーミング
納棺の前に、男性は髭を剃ったり、女性なら化粧をしたりして遺体の表情を整えます。髪を整えて、生前のお気に入りの洋服や着物、もしくは白装束にお召し替えをします。これをエンゼルメイクと言います。メイクを施す前に、専用の浴槽で洗体を施す「湯灌」を行うこともあります。生前同様にシャンプーで髪を洗い、石鹸で体を洗い清めます。
また、昔ながらの湯灌といわれる「古式湯灌」では、逆さ水で手拭いを湿らせ、清拭を行う場合もあります。どちらも、俗世の穢れを洗い流して旅立つ意味もあります。また、やむを得ない事情で日延べの場合や、必要な状態の際には「エンバーミング」と呼ばれる防腐液を用いた防腐処置を施すこともあります。
3)枕飾りと枕勤め
故人様の枕元には「枕飾り」という供物台を置きます。枕飾りは、一般的には葬儀社が一式ご用意します。枕飾りには香炉と燈明(ローソク)、花立に樒などを飾ります。線香はなるべく絶やさないようにすると言われていますが、最近では長時間用の線香も有ります。また、枕団子や一膳飯なども供えます。(但し浄土真宗では供えません)枕飾りを設置後、菩提寺の僧侶には枕経をあげてもらいます。「枕勤め」と呼ばれ、亡くなってから最初の仏事になりますが、現在では枕経は省略をし、通夜式の読経と一緒に行うことが多いようです。
◆死亡届の手続き
1)死亡届は、死後7日以内に役所に提出が必要です
医師から受け取る「死亡診断書(または死体検案書)」は「死亡届」も兼ねています。提出先は、
①故人の本籍地
②死亡地
③届出人の
現住所地のどちらの役所にでも提出ができます。死亡届は市区町村の役所で、開庁時間外は夜間窓口でも受け付けて貰えます。
2)火葬許可書を受け取ります
死亡届を提出・受付されると「火葬許可証」が発行されます。火葬場の場所の記入を求められる場合もありますので、火葬場を予約後に提出しましょう。
3)葬儀社が代行してくれます
遺族は葬儀の連絡や準備などで慌ただしいため、多くの場合は依頼した葬儀社が死亡届提出の代行をしてくれます。火葬許可証は受け取った後、火葬の際に必要となる大切な書類です。
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